レコードセールス、ライブの動員数も共に好調に伸びていた。 さらには、'85年の大晦日にNHK「ミュージックウエイブ」で放送された、日本武道館でのライブビデオが意外に大きな反響を呼んで、 1月24日に行われた中野サンプラザの追加公演では、チケットが即日売りきれとなるなど、その熱狂ぶりに拍車がかかっていった。

2月1日にはサードシングル「わがままジュリエット」、3月1日には4枚目のアルバム「JUST A HERO」と、 前作から1年も経たないうちに発売されたこのアルバムには、そういった状況に対するメンバーの意気込みがうかがわれた。 特に「JUST A HERO」は布袋が全面的なサウンドプロデュースを手掛け、氷室が本格的に作詞に取り組んだアルバムで、 松井も初めて本格的な作詞を行った。 そして、そのマニアックな仕上がりにもかかわらずこのアルバムはチャート誌で最高4位を記録した。

氷室 オレたちが本当に言いたいことをわかってくれる人は、100人に1人ぐらいしかいないんじゃないかって思う。 オレの書いた詞がいいって、松井は言ってくれるけど、オレの詞はこういうイメージで書いたんだって言うと、 松井はそれとは全然違う解釈でオレの詞をいいって言っていたというケースが多いくらいだから（笑）

それに前後して、ライブフィルムによる上映会BOφWY FILM EVENT -JUST A HERO SPECIAL-も各地で行われ、 ゲストとしてBOφWYのメンバーも出席し、ファンとの交流を深めていった。 これを受ける形で、3月24日の青山スパイラルホールを皮切りに”JUST A HERO”ツアーを開始する。 そしていよいよ7月2日に武道館における初のライブが行われた。 もちろん客席は満員で、熱狂するオーディエンスに対して放たれた「日本一大きなライブハウス武道館へようこそ！」 という氷室の台詞が話題になった。

7月5日、初のミュージックビデオ「BOφWY VIDEO」が発売。ライブとビデオクリップが収録されたもので、 ライブの部分は地元の高崎でこのために行われたスペシャルライブを収録したもの。 7月31日には武道館における初のライブアルバム「GIGS」が5万枚限定で発売されあっという間に完売した。

そして9月29日に4枚目のシングル「B・BLUE」を発表。 11月8日に発売された6枚目のアルバム「BEAT EMOTION」はチャート誌で初登場1位を獲得するなど、 BOφWYはついに名実共にNo.1ロックバンドの地位を確立した。 その人気の高まりを受けるようにして11月11日より”BOφWY ROCK'N ROLL CIRCUS”と題したツアーを開始する。