−以前より、ノビノビとしたかんじを受けるんだけど・・・。
氷室 今まで、色々実験的にやってきて、フルイにかけられて、本当のBOφWYぽさっていうか、 BOφWYとして、本当にやりたかったことが、このアルバムにハッキリ出てるから、 そういう意味では、みんなの変な悩みとかわだかまりがなかったね。 それに、ベルリンって結構、刺激受けたから、すごい誘発剤になってる部分があるよね。
−ベルリンって影響大きかったんだ。
氷室 そうですね。ベルリンじゃなかったら、こういうアルバムには、仕上がらなかったと思う。 ベルリンの空気は、刺激になったから。 これが、ニューヨークやロンドンだったら、また全然違うだろうね。
−少し詞の話をしたいんだけど、今回は、恋の歌が多いのね。
氷室 作詞の作業に関しては、あんまり政治的なものとか、生活からかけ離れたものにはしたくないのね、 かと言って、生活の臭いプンプンの4畳半ロックじゃなくてね。身近なもの。
でも、唯のラブ・ソングとは違う。イカれてるサ、大人から不良とか呼ばれてる奴、 そういう奴等にとってのラブ・ソングってあまりないと思うのね。
BOφWYのラブ・ソングって、そういう奴等にもわかるラブ・ソングだと思うから、 今回のアルバムで、ラブ・ソングをフューチャーしたかったんだよね。
−以前、今度は、詞がもっとわかり易くなるよって言ってたけど、その通りになったね。
氷室 そうだね。確かにそれ、意識した。やっぱ、自分ですごいイイと思っても、 理解を越えてて、わかってもらえないっていう悲しさがあるから、それを、 嘘を書くとかいうんじゃなくて、自分の表現方法をひとつ変えるだけで、 よく伝わるものなら、そっちの方がいいと思う。
−作詞は、ひとりでしたの？
氷室 イヤ、実験的に。プロの作家と会って、色々とアイディア交換したりして、今回初めての試み。 そういう意味では、詞に関して、他のアルバムよりも、気を使ってるよ。
俗に言う職業作家と呼ばれる人達と会って、色々話とかしたけど、すごくイイ刺激になったし。 で、ある意味でこう言うと生意気かもしれないけど、俺ってやっぱりスゴイな、とも思ったし、
俺は、職業作家とココが違うのかって、今までそんなこと考えたことなかったから・・・ それが、話とかに歴然と出てくるわけですよ、俺がカッコイイと思っても
”コレがチョット違うんじゃない？”って、そこが、 BOφWYにとって大事な部分であったりするから。
−氷室クンの詞は、とてもドラマティックだけど、いやにリアルだったりして、 これは、ひょっとすると実体験に基づいてるんじゃないかと思うんだけど。
氷室 うん、多々ありますよ。
−恋愛経験も多そうだし。
氷室 そんなに多くないですよ（笑）。ひとつの恋にしがみついてる的な部分はあるけど。
−このアルバムには、「Cloudy Heart」や「Baby Action」のように、 ライヴで、随分前からやってる曲があるけど、今回入れたっていうのは、どうしてなの？
氷室 セカンド・アルバムが、出来上がった時点くらいからあったんだけど、 すごい思い入れとかあるし、気に入ってる曲だから、いつかレコードに入れようと思ってた。 今回のアルバムは、とにかくBOφWYらしさっていうことを頭に置いていたから、 これからのBOφWYを出していくには、この曲が必要だと思ったから、 １年半ぐらい前の曲だけど、やっぱ、これは入れようって。
−で、BOφWYらしさっていうところから、タイトルは『BOφWY』になった？
氷室 今までってサ、『インスタント・ラブ』にしても『モラル』にしても、 自分達でやったもんだけど、あれがBOφWYだって言われると、まだ、 イマイチ自分の気持の中で、フッ切れてない部分があったと思うのね。 あれが全てだと言われるとチョットまずいなって。 だから、そのアルバムの中で代表格の曲のタイトルを、ＬＰタイトルにしてたんだけど、 今度は、本当にゼロに戻ったっていうか、すごい「これがBOφWYです」 みたいな時点に戻ってる。
−３枚目っていうことで、レコーディングにも余裕が出来たみたいね。
布袋 うん、今回のレコーディングは、ミキサーから、スタジオから、 すごい素直に４人の持っている個性を出そうっていうイイ雰囲気作り出来たしね。
−かなり冒険もした？
布袋 それ程してない。やるんだったらまだできるよ。今回、佐久間サンとやって、 アレンジや音を選ぶコツが、段々わかってきたから、レコーディング終わって 全部出来上がった時点で、しっかり把握できた。
−そうそう、今回、布袋クンも１曲歌ってるでしょ。「Dance Craze」
布袋 うん、作詞は、ジョナ。うちのプロデューサーの関係で知り合ってね。
どこにいても、体を動かすのは、自由だって曲なのね。ジャングルには、 ジャングルの掟があるけど、それを破っても体を動かしてダンスしようっていう
単純なダンスの歌。
−歌ってみてどうだった？
布袋 恥ずかしいだけ（笑）。友達とか遊びに来てても、その曲だけ飛ばしちゃうもん。